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​神奈川県議会  令和2年第3回定例会 

<ともに生きるかながわ推進特別委員会>

​●9月(3項目)

1. 障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会について

7月に設置された「障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会」について、第2回を傍聴しました。その中で、事例発表をされていた講師の方の講演がとても参考になりました。この事に関連して、以下を要望しました。

(要望)

今後、検討部会では、利用者目線の新しい障がい福祉のあり方について、報告書を取りまとめるが、その際には、各地で行われている優れた取組みからも十分学んでいってほしい。また、取りまとめた報告書の内容については、本県の障がい福祉行政にしっかりと生かしていってもらいたい。さらに、以前ファミリーホームで生活支援に関わり、私自身、障害の方への理解が深まった経緯もあり、より多くの県民の皆さんへの理解促進の取組へも反映することを要望します。

2. 意思決定支援の取組について

委員会の調査項目のひとつである意思決定支援について、委員会資料で説明があったとおり、県では津久井やまゆり園の利用者の意思決定支援について、園の「再生基本構想」に基づき、数年間に渡り取り組んできたとのことでした。しかしながら、障害者の「意思決定支援」という取組みそのものについては、世間一般では、まだ浸透しているとは言えず、厚生労働省においても平成29年に見直し事項の一つに挙げられ、これからの取組みではないかと感じています。意思決定支援について以下を要望をしました。

(要望)

現在、県が取り組んでいる意思決定支援は、障害の重い軽いに関係なく、すべての人には尊重すべき意思があるということをまさに世に知らしめる、とても意味のあるものです。そして、この取組みによって得られたノウハウが他の施設へ活かされることで、その目的が果たされることになると思う。一方、県が素晴らしい取組みと思っていても、それが利用者の望むものでなかったり、事業所が対応困難なものであっては、全く意味がないものになってしまう。

今後、県が、この意思決定支援を広めていくにあたっては、こうしたことを踏まえ、利用者や現場の声にしっかりと耳を傾け、真に利用者が求め、なおかつ現場で実践できるものを要望します。

3. 精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムについて(9月)

発達障がい者が、服薬していた薬の副作用で暴れてしまい、民家のドアを蹴り警察に逮捕されてしまったという事例を伺いました。しかし、この事例では、住民や警察が精神障がい者の特性や対応を理解していれば、逮捕後隔離までは至らなかったのではないかと考えます。このような事例を防止するため、精神障がい者が安心して退院し、生活できるよう地域社会で支えるしくみを作ることは、大変重要である。「精神障がいにも対応した地域包括ケアシステム構築」について、以下を要望しました。

(要望)

障がい福祉、医療機関、高齢福祉などの関係機関が連携し、長期入院されている精神障がい者の退院促進のための取組を行うことは、大変意義があることだと思う。しかし、様々な理由で長期間入院している方の中には、なかなか地域生活に移行することが難しい方もたくさんいると聴いている。そのような方が安心して退院し、地域で生活するためには、御家族や地域住民の理解が重要であることから、御家族や県民に対して、精神障がい者に関する正しい知識を持ってもらい、病院を退院した精神障がい者が地域で安心して暮らせるような地域づくりを進めてもらいたい。

また、各種相談窓口として大人の発達障害への対応窓口は中核市や一般市にはなく、県内では「中井やまゆり園」のみである。自立するための相談窓口としてセンターの設置が難しい場合はせめて相談員を各保健所などに置くなど身近に相談できる対策も取っていただきたい。

​●12月(2項目)

1. 障がい及び障がい者の理解促進について

今月12月3日は「国際障がい者デー」その3日から一昨日9日まで日本は「障害者週間」でした。本県ではH28年、悲惨なやまゆり事件が起き、その後も関連する事案もみられる中、二度と、繰り返さぬよう、障害による差別や偏見のない社会づくりの推進は、大変重要です。そこで障がい及び障がい者の理解促進について以下を要望しました。

(要望)

障がいのある方の暮らし方は自宅以外は施設、グループホーム、重度訪問介護での自立した暮らし方などがあります。私自身、グループホームでのボランテイア経験から障がい様々な状況も理解できました。また、昨年には重度訪問介護での自立した生活を追ったドキュメント「道草」を鑑賞し、意思表示や表情が非常に豊かであることにも驚きました。

 

自立できるということは、障害の有無は関係なく誰しも生きがいを感じられます。ですが、そのような地域か施設かという選択肢があることを知らない方も多いようです。今、津久井やまゆり園では、意思決定支援の取組が進んでいるようですが、地域で生活するためには、障がい者の意思をきちんと受け止めることと、同時に地域住民の理解も必要です。

 

自立された方が近隣の理解を得られず苦労を強いられた相談なども以前受けました。今回は障がい者の理解促進について様々な取組を伺いましたが、まだまだ十分ではないと考えます。意思決定支援と併せて、障がい者の理解についてもさらにしっかりと取り組んでいただきたい。さらに、コロナ禍の様々なシステムなども障がいのある方に寄り添い「ともに生きる社会」の実現に向け、今後さらなる歩みを進めて頂くよう要望します。

​2. ともいきアートサポート事業について

これまで県内の障がい者施設や特別支援学校など視察をし、素晴らしい創作活動に出会ってきた。文化芸術は、多様な価値を尊重し、他者との相互理解を進めるという機能を有しており、障がい者の自立や、社会参加を促進する上で、重要な活動の一つとも考え、アートサポート事業につき以下を要望しました。

(要望)

今回開催中「ともいきアートサポート事業」は特別支援学校の生徒が対象として、アーティストとのコラボ企画と評価はしている。私自身長年デザイン関係に関わっていることもあり、障害のある方たちの感性には以前より大変関心があり、特別支援学校での授業なども視察してきたが、アートサポート的な授業は未だ無いように思われる。さらに「県立障害者職業能力開発校」にも、現在は技術系が多く、デザインや工芸・手芸コースなど創造性を育むクラスはありません。

今後は次のステップとして、それぞれの学校においても障がいの程度や状態にかかわらず、誰もが文化芸術を学び創作できる幅広いコース展開も取組んで頂きたい。 

      

また、国内では障害者アート協会のように障害者+企業+市民をつなぐ取組もあるが、県としても県立美術館内でのギャラリーコーナーやミュージアムショップでの障害者アートコーナーなど、発表する機会の創出や環境整備など具体的な取組を進め、障がい者の自立や社会参加を推進して頂くよう要望します。

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